仙台から甲府に行ったウイルソンの話

 ウイルソンがベガルタ仙台に移籍してきたのは2012年。初めて見た時から、いいフォワードが来たと思った。ブラジル人フォワードらしくない、とも思った。ブラジル人フォワードの典型は仙台に来たばかりの頃のハモン・ロペスのような選手で、周りがどうあろうと「俺がシュートを打つんだぁ」ということしか考えていない。だがウイルソンは来た直後からよく走るし守備もさぼらないし周りも生かし生かされていた。
 右サイドを菅井と太田で崩してゴール前でウイルソン。あるいは左サイドを朴と関口で崩してウイルソン。あるいは梁から赤嶺が引き出してウイルソン。ウイルソンがサイドに流れてそこを起点にゴール前で赤嶺。そうした攻撃が面白いように決まった。2012年、仙台は2位に躍進した。ウイルソンは13得点。ACLに出場した2013年も13得点。優勝争いをしてACLに出場する。ベガルタサポーターには夢のような日々の中、ゴールを奪っていたのはウイルソンだった。
 ちなみにウィルソンではなくウイルソン、とはよくベガサポがネットに書く文句。だが、私は彼が仙台に来て2~3年くらいはウィルソンと平気で書いていたような気がする。

 2014年からの3年間、ウイルソンは怪我や怪我明けのコンディション不良に苦しむことが多くなった。出場試合数も減り、得点も3年間で4,4,6と不十分な数字だった。そして仙台はウイルソンの契約非継続を発表した。
 やむなし、と感じた。怪我さえなければやれる。それはそうだろうが、一年を通して戦えない状態が3年続いたのだ。ウイルソンを残すほうが勇気がいる。もちろん、感情は別物だ。ベガルタサポーターは惜別の情をあらわにした。

 さて、このウイルソンがヴァンフォーレ甲府に移籍した。甲府に拾われた格好である。
 真っ先に思ったのは、甲府よりも仙台のほうが金があるのだな、ということだ。仙台が取らなかったリスクを甲府は取りに行った。金のないクラブはどこかで博打を打たざるを得ない。仙台のサポーターは自クラブの資金が潤沢でないことを嘆くことが多い。しかし、甲府に比べれば仙台は金満クラブということだ。
 もちろん、怪我がなくコンディションが良好なら、甲府のウイルソンはうってつけのフォワードとなるだろう。ボールを持てない甲府に、前でボールを収め、あるいはサイドに流れて起点になるフォワードは打ってつけだ。ウイルソンが万全なら、甲府は他クラブにとって昨年以上に手ごわいチームになるだろう。

 そのウイルソンの近況だが、甲府はキャンプ中。練習試合で得点を決めるなど今のところ順調のようだ。甲府ではフォワードのファーストチョイスになっている。堀米など、ウイルソンがいる一本目のメンバーに選ばれなくて悔しい、と言っているという(速報!サッカーEG)。
 私としては、チームに残さなかった仙台が悔やむくらいの活躍を望むところである。

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