日本1-0モロッコ 難敵を下す

 モロッコはトゥーロン国際に出場している。その時、結構強い、という評判だった。攻撃力があるという話だったように記憶している。その時の結果はメキシコと3-4、ベラルーシと0-0、フランスと2-2。4チーム中の3位だった。
 オリンピックホンジュラス戦では、2-2の引き分け。個人技があり、わりと唐突に点を取るという印象を持った。
 実際に戦ってみると、思っていた以上に厄介な相手だった。

 モロッコの監督はピム・ファーベーク。オランダ出身。かつて、大宮(1998-99)と京都(2003)を率いた。オーストラリア代表監督(2007-10)もしている。
 顔を見た。
 ああ、思い出した。確かにこんな人。頭髪が少し薄くなったか。もちろん彼は日本サッカーの特徴はよく知っているし、スペイン戦も見ただろうから各選手の特徴も頭に入っていただろう。それも日本にとってモロッコが厄介だった理由のひとつだろう。
 画面に映ったピム監督は不機嫌そうで、動きというものがなかった。彼の頭の中は窺い知れなかった。
 報道ではイスラム教国はラマダンの最中であり、コンディションの不安が伝えられていた。

 モロッコに対して日本は、スペイン戦のようなハイプレスはかけなかった。
 あんな疲れる試合を何度もできない、ということもあるだろう。ただ、プレスがかけにくい、ということもあった。モロッコにはドリブルの得意な選手が多く、飛びこむとかわされる恐れがあって、ボールの取りどころが定まらなかった。
 茨田 バラダから油鳩 アムラバトへの攻撃が危険。特に前半、日本は何度か危うい場面があった。ゴールキーパー、アムシクも一度、怪しいキャッチがあったものの、反応に優れていた。

 だが次第に日本はパスがつながるようになり、主導権を握っていった。相手の特徴が見えて繋ぎ方がわかってきたのかもしれないし、モロッコにはラマダンによる体力消耗があったかもしれない。アムラバトの交代は有り難かった。
 清武、大津、山口らの決定機があった。清武のシュートは枠に入っていたのをアムシクが弾きクロスバーに当たったもの。このところ清武のシュートは枠を外すことが多かったので、良い傾向かもしれない。山口は決めてほしかった。献身的な守備から玄人筋に受けの良い山口だが、世間に「螢あり」とアピールするチャンスだった。

 得点は清武のパスも見事だし永井の飛び出しとループシュートはさらに見事。永井のゴールを初めて見た人は驚いただろう。永井はあんな難しそうなゴールが多く、逆にごっつぁんゴールをあまり見たことが無い。
 終了直前のモロッコの攻撃には肝を冷やした。ラビアドのシュートを権田が一対一で止め、次のエルカドゥリのシュートは吉田がどうにか弾いた。あの時、徳永がゴール前にいた。吉田が抜かれたら徳永が防いでいたか。日本の守備陣は最後までよく集中していた。

 難敵モロッコを下して、グループ一位が見えてきた。ホンジュラスはスペイン戦、クロスにヘッド一発のギリシャ代表のような得点の後、スペインの猛攻を時に荒っぽく耐え抜いて勝った。向こうも向こうで気分がいいだろう。また大変な戦いになるかもしれない。

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