Jリーグは故郷を連れてくる

「よう」
「おっ、久しぶり」
「さすがだな。声だけでわかるか」
「そりゃあ、おめだがらな。一年振りが。試合が明日だし、そろそろかがってくんでねえがなと」
「明日は誰がこっちに来るの」
「来ねえのははるきとみさと」
「ん? 去年は二人で来てたんでね」
「みさと腹ボテだって。一年振りだがら聞いてねえが。今朝入院したどが言ってだど。だがらはるきも来れね。試合中に産まれっかもわがんねど」
「ほう、ま、めでたく産まれるといいがな」
「あとは去年行った奴はみな行く。俺と、わたつと、かなこと、わか。そっちは?」
「さとしは来れねって。俺だけ」
「仕事?」
「とは言ってたが、さとしのことだがら、わがんねな。誰がどどっか行ってっかも」
「ああ、うん、さとしなら、な」
「ところでお前、かなこ口説くって、去年言ってなかったっけ」
「口説いた。だがら、もう、らぶらぶよ」
「ほぉーーう? ほんと? 信じられん」
「それより、お前、どうなったんだ? そっちの彼女は。東京の女と付き合ってるんでねがったっけ」
「ああ、結婚する。来春」
「へえー、そっちこそほんと?」
「ん。式はこっちだがら。呼ぶがら、来て」
「おぉ、それはおめでとう。でもわかがなんか言うがな。それ聞いだら泣ぐんでねぇが」
「それはねぇ。俺がこっち来る前から、わかどは切れでっし。わかはさとしに会いたくて毎年こっちさ来てだんでねえがな」
「んだえが。つまり、わかはさとしとおめど、二人に振られだわけ?」
「俺、わか振ったわげでねえし」
「んなの?」
「ほんで、わたつは?」
「あいづだげはわがんね。何考えでんだぇが」
「んだな。わたつとわか、いや、ねぇな、それだけはねぇ」
「ああ、ところで、明日は俺らさその、東京の彼女紹介してけんのがな」
「駄目だ。あいづは青い服着て、向こう側のゴール裏だ」
「あはは、そうが」
「だがら明日だげは負げるわげにいがね」
「んだな。負げだら尻さ敷かれっからな」
「んだ。こご何年も尻に敷かれっぱなしだ」
「ところで、仕事はどうだ」
「景気は悪い。でも仕事は任せられるようになったがな、一人で」
「おお、そっちさ行ってがら愚痴ばっかり言ってだのに、進歩したんでね」
「五年も経つしな」
「んだな。いづの間にそんなん経ったんだが。んで、あした」
「あしたな。ゴール裏で」


 例えば、こんな話があるのかもしれない。
 明日はFC東京ーベガルタ仙台戦。

 Jリーグは故郷を連れてくる。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック