U-17女子W杯決勝 日本2-0スペイン 危なげない勝利

 日本が強かった。日本女子代表のドイツW杯優勝は、運の助けもあってかろうじて成し遂げたものだった。しかしこの決勝は、もともと日本が実力で上回っていて、それを素直に出して勝っていた。

 日本は序盤からプレスをかけてスペインのパス回しを封じてきた。スペインは満足な攻撃に入れない。
 5分、センターバックから前線にフィード。スペインのディフェンダー、ロシオが頭に当てるがボールを跳ね返せず、背後に走り込んだ小林にパスするような形になった。小林は長谷川にパス。長谷川が松原にボールを戻したところ、松原はロングシュート。スペインゴールキーパー、エレナの頭上を襲う。エレナがかろうじて触ったボールはクロスバーに当たって落ちてきた。そこに走り込んできたのが西田。追いすがるスペインディフェンダー、ヌリアよりも一歩早くボールに追いついた西田はシュート。ボールは立ち上がろうとするエレナの頭上を破った。日本先制。

 スペインは決して弱くはなかった。ボールを持つ能力は高く、実際ポゼッション率は53%と日本よりも高かった。先制後に前からのプレスを抑えた日本に対し、スペインはボールを持って日本ゴールに近づいていった。
 しかし、近づくだけだった。パスカットなどからスペインのチャンスになりそうな場面はあるのだが、日本のディフェンスはゴール前への戻りが早く、一人が抜かれてもカバーがすぐに現れ、シュートチャンスを作らせなかった。ポゼッションはスペインが高くともシュート数は90分で15対6と日本が圧倒した。

 後半は日本に何度か決定機があった。しかし、スペインディフェンダーが体を寄せて日本のシュートコースを狭め、GKエレナがポジショニング良くシュートを正面で止めた。
 一方、日本の守備の集中は切れない。61分に痛んだ遠藤が児野に代わるまで、5分ほど日本は10人になっていた。しかし守りが破綻することはなかった。

 そして78分。左から日本のスローイン、その後に左サイドからバイタルエリアで小林がボールを受けた。ワンタッチで出したボールは走り込む児野の足下へ。次の瞬間、児野はGKエレナと一対一。シュートが流し込まれて2-0。
 この日本なら2点はセーフティリードだ。一瞬、裏に抜けだされそうになったが、GK松本が飛び出してボールを押さえ、なにも起きなかった。
 日本が勝ち切った。

 強い。個々の能力の高さ。それだけでなく遠藤がいない場面でもポジションチェンジしてなんら問題を起こさなかった戦術理解の高さ柔軟さ。選手一人一人が複数のポジションをこなせるとも聞く。
 高倉麻子監督は素晴らしいチームを作った。日本が女性の監督で世界一になったのが嬉しい。女子のフル代表はずっと男性が監督を勤めてきた。しかし女性のチームは女性が率いたほうがいいと思っていた。女に生まれたらサッカーができても審判にはなれても、指導者にはなれないのか? そんなことはない。

 素晴らしい監督が率いた優れた選手達の完勝だった。

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