日本1-2メキシコ 夢から覚めた

 ブラジル戦後は醒めていた。イタリア戦後は腹を立てていた。そしてメキシコ戦後は意気消沈した。
 イタリア8位、メキシコ17位、ブラジル22位、日本32位。W杯予選を戦っていないブラジルの順位がおかしいが、日本の3連敗はFIFAランキング通りである。
 つまり、日本はその程度なのだ。

 メキシコは北中米の雄だが、日本との対戦の歴史で言えば絶対に勝てない相手ではなかった。古くはメキシコオリンピック3位決定戦で勝利している。A代表では今回を含めて1勝3敗。唯一の1勝は最初の対戦、1996年のキリンカップ。博多の森で3-2。
 一番直近の対戦は2005年のコンフェデ杯、1-2で敗れた。当時はジーコ監督だ。

 累積警告で出場停止の長谷部の代役は細貝。他に吉田に代えて栗原、内田に代えて酒井宏。ザッケローニ監督の会見によれば、栗原の起用は吉田の体調不良、酒井宏の起用は高さが欲しかったためとのこと。

 試合開始から、日本は激しいプレスをかけてボールを奪ってはメキシコゴール前に迫った。
 嫌な予感がした。こんな攻勢が90分続くわけがない。10分くらいで抑えてくれればいいが、と思ったが攻勢は25分ほど続いた。その間、日本に点は入らなかった。岡崎のシュートがオフサイドと判定されたのは惜しかった。結局、この時間帯に点を取れなかったことが致命傷になった。25分から先、流れはメキシコに傾き、日本に帰ってはこなかった。前半0-0で終えられたのはむしろ幸運だった。

 後半もメキシコ優位の流れは変わらなかった。54分、グアルダードのクロスにエルナンデスが合わせてメキシコ先制。エルナンデスは栗原と今野の間に入ってきた。今野は横にマークすべき選手がいたので動けなかった。栗原はグアルダードに気を取られてエルナンデスから目を離していた。一瞬の隙だ。
 58分、酒井宏に代えて内田。怪我をしたわけでもなさそうだし、よくわからない交代だった。酒井宏の高さはいらないと判断したのか。それとも酒井宏の守備力、あるいはビルドアップ能力に足りないものを感じたのか。恐らくは後者だろう。セットプレーに難のある日本。背の高い酒井宏を起用したいのだが、どうしてもレギュラーの内田に劣るところがある。監督も悩ましいところなのだろう。
 本田が動きが悪いのだがザッケローニ監督は本田を代えない。立っているだけでも役に立つと思っているのだろうか。これも本田のいない試合で苦労したことが関係している。悪いことがわかっていてもレギュラーを出さざるを得ない。
 気になったのは、日本のコーナーキック。ショートコーナーにするのだけれども本田がこねているうちに前が詰まって後ろに戻す場面がこのコンフェデ杯では何度もあった。コーナーキックの意味がない。

 65分、前田に代えて麻也。3バックか。あるいはオーストラリア戦のように今野を左サイドバックにスライドさせて長友を左サイドハーフに上げようとしたのか。どうも3バックだったらしい。それにしても体調が良くないから外した吉田を途中から入れるのは変調している。
 66分、メキシコのコーナーキック、バックヘッドでファーに飛んだボールをエルナンデスが叩き込んだ。エルナンデスと競ったのは内田。なぜ高さの無い内田なのか。わざわざ背の高い麻也を入れたのはなんのためか。誰が誰につく、というマーク確認がおかしい。
 77分、長友が動けなくなり、憲剛と交代。回復に長くかからなければよいのだが、長友はどうなるだろう。
 86分、香川から、右サイドに上がっていた遠藤へ。遠藤がボールを中に入れて岡崎ゴール。1-2。
 ロスタイム、エルナンデスが抜け出し、内田が後ろから追ってきた所にうまく倒れてPK。交代選手が活躍していない。PKは川島が止め、エルナンデス再びのシュートもクロスバー。
 このまま試合終了。

 この試合では、レギュラーの代わりに出場した選手が活躍できなかった。交代選手もうまく働かなかった。采配を振るった監督、それに応えるべき選手、それぞれに問題があった。それも含めて日本の実力だ。

 三連敗。コンフェデ杯で活躍できるかもしれない、というのは何の根拠もない夢だった。
 夢から覚めた。
 現在の実力はこの程度。ワールドカップでは運が良くてベスト16ぐらいだろう。それでは南アW杯からなにも変わっていない。
 つまりW杯で活躍するかも、というのも夢だ。これからその夢を、根拠のある夢にしていかなければならない。個々の力の引き上げ、控えの底上げ、新戦力の発掘。私は監督の更迭を望まない。しかし、采配がうまくいかなかったザッケローニ監督には意識の変革を望む。だが監督の采配に応えられなかった、選手の戦術理解力向上をそれ以上に望む。
 すべきことは山ほどある。時間はたった一年しかない。

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