イタリア4-3日本 腹立たしい敗戦

 腹立たしい。
 ブラジルに完敗した時には、「なるほど」「こういうことか」「所詮いまはこの程度か」と冷静に観察していた。だが、このイタリア戦は腹が立ってならない。
 勝てたかもしれない。そう思うと冷静でなくなるのはなぜだろう。

 勝てたかもしれないのだから、負けたのはほんの少しのところでなにかが及ばなかったからだ。そのほんの少しとはなんだ。
 日が経ったところで少しは冷静になってきた。順番に振り返ってみよう。

 前半5分。前田のヘディングシュートもブッフォンの正面。このコンフェデ杯に関する限り前田の調子が悪いとは思わないのだが、シュートがゴールキーパー正面か枠外にしか飛ばない。あとちょっとなんだが。
 不調とあとちょっとの差は小さく、あとちょっとと好調の差は大きい。

 前半21分。岡崎をブッフォンが倒したとしてPK。ブッフォンは左足でボールを当てて右足で岡崎の足を払っていた。タイミングとしてはボールだけを払おうと思えば払えた。難しいが、これはPKに取らない審判のほうが多いのではないか。本田のPKが決まって、イタリア0-1日本。

 前半27分、長谷部ミドルシュートを左に外す。これについては後述する。

 前半33分、香川ゴール。イタリア0-2日本。たまたま目の前にこぼれてきたボールを反転シュート。香川らしいアジリティ。ただ、後になって考えると、ここまでの日本の2点は相手の防御を崩したものでは全くなく、偶然性の高いもの。

 前半41分、コーナーキックからデ・ロッシの頭。長谷部に競り勝って、イタリア1-2日本。吉田と遠藤が水を飲んでいた直後、まだ誰が誰につくかはっきりしておらず、川島が指示を飛ばしている時にピルロがコーナーキックを入れた、とピッチ上のアナウンサー(?)の指摘あり。隙と言えば隙であり、それが1点になったと思えば重い。もっともデ・ロッシ対長谷部という対決だけに絞ってみれば、単純に力負けの完敗。

 後半5分、内田のオウンゴール。イタリア2-2日本。
 内田云々より、吉田の対応ミスが原因の失点。
 代表には闘莉王待望論というのがずっとある。闘莉王よりも吉田に良い面があってザッケローニは吉田を選んでいるのだろうし、そうした声は吉田がプレーで黙らせればいいと思っている。しかし、ブラジル戦でも吉田は緩慢なところがあったし、こうしたプレーを見ると闘莉王待望論が止むことは無いだろう。
 ところでこの得点はピルロのフリーキックから始まっている。ピルロのフリーキックが危険であることがわかっているのに、危ない位置でフリーキックを多数与えていた。なぜこうなったのか。フリーキックを与えざるを得ないほど、イタリアの攻撃は見た目以上に脅威だったということか。ちなみにバロテッリを倒してフリーキックを与えたのも吉田。

 後半7分、長谷部のハンドを取られてPK。それが決まって、イタリア3-2日本。
 長谷部のハンドはワンバウンドしたボールが当たったもので故意のわけはない。ただ、前半21分に日本が得たPKと関係していたように思う。日本の審判(誰だったっけ?)が、PKの帳尻合わせというものを審判はしないが、一方のPKを取った場合、ペナルティエリア内のファウルはその後も見逃さないよう、より強く意識するようになる、と言っていたのを聞いた記憶がある。
 そうした意味では審判が平等に間違えたような気がしなくもない。

 後半24分、ゴール右から遠藤フリーキック。岡崎がニアに飛び込んできてブッフォンの斜め上を抜く。イタリアよりも日本の決定力が上を行ったじゃないか、と思った瞬間。イタリア3-3日本。

 後半28分、内田に代えて酒井宏。その後にハーフナーを入れているし、酒井宏のクロスを生かそうという意味はもちろんある。そのほかに、背の高い選手を入れるセットプレー対策という面があったと思う。

 後半32分、長谷部のミドルシュートがバーの上。長谷部のミドルシュートの精度が上がらないのは、ウォルフスブルグでサイドバックばかりやっていて、ミドルシュートを蹴る機会が少ないからではないか。

 後半41分、イタリアに崩され、ジョビンコに点を取られた。イタリア4-3日本。
 今野のマルキージオへのオフサイドのかけそこないと酒井宏が全然ジョビンコを見ていなかったことで崩されていた。事象としては。
 それよりもこの時間帯、日本は攻勢を続けていて、心理的に前がかりになっていた。その前へ、という心理的な隙をつかれたように感じられた。

 もっとも怖いイタリア選手、バロテッリを日本守備陣はファウルこそ与えたもののほとんど完封していた。だが、最後の4点目にバロテッリは関わっていない。バロテッリを警戒するあまりそれ以外の選手を意識から外していなかったか。バロテッリのいないところは隙だらけだ、と読まれていなかったか。
 どこで点を取るのか、どうやって点を取るのか、それ以上に、どうやって点を取られないようにするか、という経験値でイタリアが優っていた。
 それ以外の点でイタリアが優っていた点は無かったと感じている。それだけに腹立たしい。

 勝てたかもしれない、というラインと、勝てました、というラインの間にバイタルエリアがある。そのバイタルエリアに日本はボールを入れた。そこまではできた。
 勝てました、のラインを破ることはいつできるのだろうか。

 腹立たしいわけだ。日本代表は、最高の決定機を逃したのだから。

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