日本2-1カナダ 辛うじて勝った課題の多い試合

 カナダはW杯予選でもう負けている。実質1.5軍とか、FIFAランキングでは日本よりかなり下(ヨルダンよりは上)などということが事前に伝えられていた。
 だからといって、簡単に勝てるとは限らない。戦ってみるとカナダ選手達のモチベーションはかなり高かった。序盤からアグレッシブにボールを奪いに来て、日本はかなり押し込まれた。苦し紛れに最終ラインから吉田・伊野波がロングボールでクリアしても、またセカンドボールを拾われて攻められた。
 カナダはW杯予選で負けたばかり、というところがむしろカナダ選手達のモチベーションになっていたのではないか。新しいチームを作ろうとしているわけだから、ここで監督にアピールして代表に定着したい。あるいはレギュラーを奪いたい。カナダの選手達はそんなことを考えていただろう。
 一方の日本代表は、本田・長友の穴を誰が埋めるのか、という問題はあるが、基本的には調整試合だ。日本のほうが少し気持ちが緩んでいたのかもしれない。

 左サイドバックは長友の代わりに高徳。トップ下には香川が入り、左のシャドウには乾が入った。駒野・憲剛の経験よりも、若くして欧州に飛び込んだ才能を選んだ布陣だ。他に、体調不良の今野に代わって伊野波がセンターバックに入った。
 押し込まれていた前半9分、日本が先制した。奪ったボールを受けた長谷部がドリブルで持ちあがって香川にスルーパス。カナダのゴールキーパーがたまらず飛び出してクリアしたが、これが岡崎へのパスになった。岡崎は左に動いてカナダディフェンダーをかわすとループシュート。綺麗にゴールキーパーの頭を越えた。
 なんで岡崎はシュツットガルトだとなかなか点を取れないのに、代表だと点を取るのだろうか。クラブで点を取れるのに代表で取れない選手なら世界中に山ほどいるのだが。

 その後も日本に点を取れそうな好機が何度かあった。乾のクロスに前田遼が合わせた時はシュートはクロスバーの上。乾が二度打ったシュートもクロスバーの上。遠藤のフリーキックはポスト→ゴールキーパー、のピンボール。
 遠藤がフリーキックを蹴ろうとした時、高徳がダミーで走っていったが、一度高徳のフリーキックも見てみたかった。前半は1-0で終了。

 後半開始時に、内田に代えて駒野。内田は親善試合のラトビア戦で故障したので、壊れやすいと思われて大事を取ったのだろうか。岡崎に代えて憲剛。憲剛がトップ下に入り、香川が左、乾が右に回った。それから前田遼に代わってハーフナーマイク。
 マイクが香川のパスを受けていきなりゴールキーパーと一対一。しかしループシュートは右に外れる。
 シュートは外したが、マイクは頭でボールを落としたりボールを受けて後ろに渡したりといったポストの能力が以前よりも格段に向上していた。かつてはボールが収まらないことで木偶の坊状態になりがちだったが、ここ一年くらいの間にフィテッセでかなり修行したようだ。

 58分、カナダのコーナーキックから日本は同点に追いつかれた。伊野波がハッチンソンに付ききれていなかった。少し前のプレーで背中を痛めていたが、その影響があったのだろうか。伊野波はこのあと栗原に交代。ヨルダン戦で伊野波は難しい気がする。栗原か。それとも今野が復活するか。
 リプレーを見るとそれほど厳しいコースに飛んだシュートではなかった。だが、左側に来たボールに川島が逆を突かれていた。川島としたら、右からのコーナーキックに左からハッチンソンが飛び込んでいたし、それを左から伊野波が追いかけていたから、右にボールが来ると読んでいたのだろう。左右どちらに来るかわからない、と川島が考えていたらセーブ出来たのかもしれない。

 後半の日本は遠藤-憲剛のラインと憲剛のボールの散らしを見る分には攻撃が機能していた。しかし、遠藤は厳しいコースのパスを狙いすぎてよくインターセプトされていた。乾は右に慣れていないようで、後半は消え気味になり大津に交代した。
 遠藤のパスを受けてゴールキーパーをかわした高徳は左の浅い角度から無人のゴールへ、……外す。

 日本の勝ち越しゴールは74分。香川・遠藤が中でつないで左サイドの高徳へ。高徳が良い所に蹴ったと思ったのだが、よく見ると相手ディフェンダーに当たっていた。そのこぼれ球がそこに入ってきたハーフナーマイクの足下に。マイクが今度はゴール右隅に決めた。
 ハーフナーマイクはハットトリックが取れそうだった。後半最初と最後の決定機に比べたら、この実際に得点したシュートのほうが難しかったのではないか。ともあれこの日の代表で、彼が一番目立っていたのは間違いない。

 これから後の時間帯、日本はカナダに何度か攻め込まれ川島が何度かセーブして防いでいた。点を取りたい前線と失点を防ぎたいディフェンスラインの間が空いていたような気がする。
 しかし失点することはなく、どうにか一点差を保ったまま時間は過ぎ、前述の通りマイクがシュートを外して終了。

 カナダ代表があまり強そうではなかっただけに、日本代表の課題が多く見られることとなった。だが課題があぶり出されたこと自体は悪いことではない。誰が出るかも含めて、これから修正していけばいい。
 ヨルダン戦。勝ってW杯出場決定、とまでは言わない。どうにか勝ち点1でも取ってきてほしいものだ。

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