日本1-0スペイン 驚愕の勝利

 まず驚いた。
 勝つとは思っていなかった。それだけではない。
 日本が強い。
 スペインが弱かったのかもしれない。少なくとも、この試合ではスペインより日本のほうが強かった。

 序盤、日本はいきなり強烈なチェックアンドチェイスをかましてきた。早野スクランブル。あるいは親善試合のほうの日本-オランダ戦のような。
 それはただのチェックではなく、連動プレスになっていた。例えばセンターバックが持っている所に永井が突っかけると、そのセンターバックから一番近い所にいた敵ディフェンダーに東が寄っていた。
 当然、90分はもたない。前半20分くらいで、日本はこのプレスを常時続けるのをやめた。ブロックで構える方法に移行。しかし、要所でまたプレスを繰り出した。ここでプレスをかけるかかけないかの判断はどこで下していたのか。
 基本的守備組織方法は監督の領分である。このメリハリはどのように指示されたものであろう。

 プレス時はショートカウンター、ブロック時はロングカウンターと遅攻が狙いとなる。どちらにしても日本はボールを持とうとしていない。
 これまでのオリンピック代表で、日本の欠点はボールを持った時に攻めが速すぎることだった。
 ボールを持たなければ、この欠点は消える。

 スペインは各選手の名前と所属を聞けば、強敵の筈だった。しかし彼らはスペインA代表でもバルセロナでもなかった。バルセロナに特徴的な、ブロックの中にボールを入れてディフェンダーが寄ったところに別な人間が入り込んで、という、中から崩していくやりかたはしなかった。ブロックの外を回るばかりで、大した脅威にはならなかった。
 その結果、スペインはポゼッションでは圧倒しながらシュートを日本の半分しか打てなかった。
 日本はスペインがシュートを打つ前に潰した。権田のファインセーブはデ・ヘアのセーブに比べれば遥かに少ない。

 永井は点こそ取らなかったものの、スペインディフェンスを恐慌状態に陥れた。
 だからマルティネスはレッドカードを受けてしまったのだし、押し上げらないスペインは波状攻撃ができなかった。
 永井は試合開始から鬼プレスに参加していたから、途中で交代するんだろうと思っていたが、90分代えてもらえなかった。80分くらいから疲労困憊モード。それでも決定機を作って、さらにそれを外すのだから面白い。

 絶好機を外したと言えば清武。
 無人のゴールへのシュートを外したのは、角度が浅かったから仕方がない面はある。でもネットに打ち込むならまだ理解できるが、なんでゴールマウスから離れる方向に外すのだろう。

 吉田は素晴らしいキャプテンシーだったし、徳永はオーバーエージの選択選手が正しかったことを示した。
 鈴木は頼もしくなった。山口は見事な潰しを見せ続けた。東は攻撃の要として活躍し守備でも献身性を見せた。
 大津は、得点時の見事さと怪我をした悲劇性と普段のチャラさとベンチでの乙女ぶりを発揮。スターシステムに乗っかったかもしれない。

 そしてトゥーロンの崩壊ぶりから、短時間で立て直した関塚監督。

 素晴らしい。このオリンピック代表で、「強い日本」を見るとは思わなかった。

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