コップの中に水が半分入っています

「コップの中に水が半分入っています。どう思いますか」
 コップの中に水が半分入っている、と思いますね。

「水が半分しか入っていない、と思うか、水がまだ半分ある、と思うかを聞きたかったのですが」
 聞きたかったのは感情のほうですか。
「そうです」
 場合によります。その水が欲しいか欲しくないか。別にいまは喉が渇いているわけでもないので、コップに水が半分あるとしか思わないです。

「それでは、質問を変えます。喉が渇いていて、コップの水を半分飲んだ。さて、残った水を見て、どう思いますか」
 コップが小さかったら、全部飲んでしまっているでしょうね。だから半分残すということはない。よっぽど大きなコップですか。それで半分残ったと。
 だったら、もういらない、という回答になります。

「喉が渇いていて、コップ半分の水が置いてあるのを見た、としたらどうです」
 とりあえず飲んで、足りなければ二杯目を確保しようとするんでしょうね。ところで、
「なんでしょう」
 置いてある、と言いましたね。それは自分が用意した水ではない。ならば安全な水でしょうか。

「安全だ、ということにしましょう」
 その安全は誰が保証してくれるのですか。水だ、というのが前提なら硫酸ではないんでしょうが。
 あなたが置いたんですか。あなたは信頼できる人間ですか。変な薬が入っていない証明ができますか。
 仮に悪意なく出された水だとしても、国によってはレストランから出された水で腹をこわすこともあります。
「自分が日本の水道から入れた水だということにしましょう」
 自分で入れたとしても、旅行から帰ってきて、一カ月前に入れた水がテーブルに置いてあったという話なら、ボウフラが湧いているかもしれない。
「いま、自分で入れたとしましょう」
 それなら、必要なぶんだけ入れて飲むだけの話ですね。

「ずいぶんひねた考え方をするのですね」
 半分しか入っていない、まだ半分ある、この二択しか選択肢がない、というほうがひねくれていると思います。
 さっきから、水を飲む話ばかりしていますが、コップに水が半分入っているのを見て、薔薇の一輪ざしにちょうどいい、という人がいるかもしれません。


 例えばオリンピック代表の話。
 シリアに総得点で一点下回って二位にいる。どう思いますか。
「あなたは、二位になってしまったとネガティブに考えますか。総得点で一点下回っただけで逆転可能だとポジティブに考えますか」

 どちらでもありません。
 面白くなってきたんじゃないか、と思いますね。次の試合が楽しみです。

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