日本代表の幸運

 日本代表がベスト16に至るまでには、もちろん幸運もあった。
 幸運の最たるものは、初戦のカメルーンが日本以上に絶不調に陥っていたことだろう。報道からは、カメルーンの英雄ミラとエトーの間の揶揄と反発、そして監督とベテラン選手達の間の確執が伝えられていた。それらの報道がどれだけ真実を伝えていたかは不明だが、そうした報道があるということ自体が良くない兆候だ。何十人もの男どもが暮らしていて何の問題もないということは難しいが、そうした問題は中で処理すべきことだ。外部の雑音があるということは内部の集中を殺ぐことに繋がる。
 そのカメルーンはテレビで親善試合を見る限り、決して良い状態ではなかった。特に守備、最終ラインとバイタルエリアのケアの点で、集団での連動というものが感じられなかった。

 カメルーン戦での日本は、決して良いサッカーをしていたわけではない。先制点こそ取ったが、その後ボールを繋ぐことはできず、最終ラインは下がりに下がって、ひたすらボールを跳ね返すばかりだった。
 その点は批判を受けたものだが、考えてみてほしい。日本のフォーメーションは韓国戦後に変更したばかりだ。カメルーン戦まで三週間しかなかった。本田のワントップなど直前の練習試合で初めて試したもの。連携もへったくれもない状況でも不思議はない。
 にもかかわらずカメルーンに勝てたのは、状態の悪い日本よりもカメルーンのほうがさらに状態が悪かったからにほかならない。
 日本の得点の場面、大久保に引っ張られて本田をフリーにしたカメルーンの守備は、日本以上に集団の連動性が欠けていた。

 第二の幸運は三戦目のデンマーク戦で、引き分けなら二位通過、という状況だったことだ。
 オランダ戦を一失点で留めたのは川島らの奮闘があったからで、それは幸運ではない。幸運なのはデンマークがカメルーンを相手に一点差の勝利でよしとしたことだ。彼らは勝ち越してから二点差にしようとしなかった。
 デンマークは「日本に勝てばよい」という状況で十分だと思っていたのだ。日本に勝てると思ってくれたのである。舐められたものだが、舐めてくれて助かった。
 本来、しっかり守って相手の隙を突くデンマークが、日本戦では前に出てきた。そのおかげで日本はデンマークの隙を突くことが出来た。それが良い位置でのフリーキックに繋がった。

 もし、一戦目がデンマークで三戦目がカメルーンだったら? 初戦のデンマークは負けない戦いをまず志向しただろう。そして日本守備陣の隙を突こうとしただろう。日本は初戦では守備が穴だらけではなかったか?
 カメルーン・オランダ・デンマーク、この順番で戦えたことは何よりの幸運ではなかったか。

 さて、日本に不運は無かっただろうか。私は感じなかった。
 中心選手の不調、親善試合での怪我、オウンゴール、練習試合相手のドタキャン。
 不運は本番前にすでに出尽くしていたと思われるのだ。

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