あまりに痛いフランスの記事

 スペインと韓国の親善試合を見た。
 スペインが1-0で韓国に勝った。スペインはまだピークではなく、韓国は今がピークなのかと思えた。概ねスペインがゲームを支配していたが、韓国は鋭いカウンターから好機が何度かあり、うっかりすると勝ちそうだった。しかし、その好機はゴールに結びつくことがなく、86分、スペイン・ナバスのミドルシュートで決着した。
 韓国はグループリーグ、スペインはトーナメントに照準を合わせているのだろう。両チームとも良い仕上がりに思えた。
 という話を書こうと思っていた。両国にとって、数週間後の未来は明るいなと。
 しかし、別の話を書くことにする。

 スポーツナビ、木村かや子のフランスレポートがあまりに痛かったので、そちらを紹介する。

ワールドカップ(W杯)直前のフランス代表は、以前にも増して不安を誘う様相を呈している。

 フランスを某国に置き換えて読むと、身を切られるように痛いのだ。

試合を重ねるたびに成績は悪化し、その幻想は次第にしぼんでいった。
マルセル・デサイーが南アフリカの『サンデイ・タイムス』に語った (中略) このフランス代表がW杯で勝つ可能性は皆無だ。選手たちはW杯に向けた準備の最終段階にあり、ベストコンディションに至っていなければならないはずだった。まだベストな布陣と明確な戦術が決まっていない

 フランスの話だと笑えるだろうか。私は笑えない。まるでどこかの国の代表のようだ。

予選を通し4-4-2を採用していたレイモン・ドメネク監督は、強化試合で4-3-3に転向したが、今またそれに手を加える可能性が浮上している。大会開幕の直前になっても基本システムが決まっていない代表などそういない。

 いるのだ。これはフランスだけの話ではない。

「今ごろ何をしている」と言いたくなる気持ちも分かろうというものだ。

 痛い。痛いよ。

「監督はこのような戦略をとり、このようなサッカーをやろうという自分の考えに基づいて選手を選び、戦術を決めるべきなのに、ラサナ・ディアラがいなくなったから急に4-3-3というのは、あまりに信念がなさすぎる」というものだ。

 ディアラ? いや、某国代表では最近レギュラーでなくなった中心選手がいたようだが。

しかし続くチュニジア戦の内容が、1戦目(コスタリカ戦)の成功がまぐれだったのではないかという疑念に火をつけたのである。

 そう言えば某国では、敗れたものの内容が良く、成功したと思われた試合があったような気がする。

攻め上がってパスを送ったはいいが、受け手が誰もいないといった相互理解のミスや、ボールを受けたがシュートに持ち込めないといったゴール前の不器用さやタイミングのずれも目についた。

 あ・あ・あ、どこの国の話だそれは。

キャンプでの重いトレーニングのせいもあり、疲れが出て肉体的活力とひらめきが欠けていた。

 それだよ、それ。その理屈が唯一のよすがだ。一週間経てば何もかも好転するのだ。信じたい。それを信じたいのだ。

しかし地元メディアや国民は、今、基本システムは4-3-3か、4-4-2か、あるいは4-2-3-1か、またリベリーは右か左かと、盛んに論議を戦わせている。

 どこかの国のマスコミや国民と同じではないか。

強化試合を見た限り、不安にならない方がおかしいというものだ。

 その通りだ。

フランス代表を半分見捨てた様子の国民も、心の底では、本番で突如チームが機能し、奇跡を起こすことを祈っている。

 某国の国民も祈っている。
 そうだ。未来のことなど、誰にもわからないではないか。本番はまだ先だ。

 だが、同時に知ってもいるのだ。

 祈っていることが奇跡であることを。

この記事へのコメント

ミー
2010年06月15日 02:08
この方、別のコラムで「怒り心頭に発する」を「達する」って間違っていましたね……(^_^;)

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