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zoom RSS W杯出場枠拡大に関して

<<   作成日時 : 2017/01/31 18:04   >>

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 決定は1月10日だったからいささか旧聞に属する。だが当時はまだ高校選手権が終わっていなかったのでこれに対して考察し文書化している暇はなかった。
 何日も経ってしまったので、まず決定内容を復習してみよう。
1)2026年大会から、出場国が現在の32ヵ国から48ヵ国になる。なお、2026年はカタール大会の次の大会に当たる。
2)グループリーグは3ヵ国で争われ、上位2ヵ国計32ヵ国が決勝トーナメントに進出する。決勝まで最大7試合なのは現状と変わらない。
3)W杯の総試合数は現在の64から80に増える。(フットボールチャンネルを参考にした)

 愚かなことをするものだ、と思った。
 ただ、愚かと思ったのは出場国を増やすことではない。W杯のレベルの低下あるいは開催国の負担増などが語られている。いや、それは事実その通りなのかもしれないが、そこに強く反対するつもりはない。
 そもそも日本がW杯出場国常連国になったのも出場国が増えたからである。アメリカW杯は出場24ヵ国。フランスW杯は32ヵ国。ドーハの悲劇でもジョホールバルの歓喜でも日本はアジア3位であり、フランスW杯に出場できたのは出場国が増加したおかげだった。その後日本は5度W杯に出場し3度グループリーグで敗退した。24ヵ国から36ヵ国に増やしたことでW杯のレベル低下を担った国のひとつ、と言われても言い訳はできない。だが、W杯常連国となったおかげで日本国内のサッカーへの関心は明らかに高まったし、私自身日本代表が出場するW杯を楽しんでいる。1994年以前に戻せとはとても言えない。
 だからW杯に出られそうで出られなかった国が16ヵ国も出られるようになる。それに積極的に反対する気にはならない。そもそもレベルの高いW杯はトーナメントから、が現状であり、それがトーナメント2回戦から、くらいに変わるだけのことである。
 試合数が増えることで開催国の負担も増えるが、その負担に耐えられる国が立候補すればいいだけのことだ。

 愚かなのは前述の2番目。グループリーグを3ヵ国で争うことだ。理由は三つある。

(1)グループ内3ヵ国の日程が不公平になる。
 2015年のラグビーワールドカップを覚えているだろうか。日本は初戦の南アフリカ戦で奇跡と呼ばれた勝利を得た。第二戦はそのわずか4日後。相手のスコットランドはリーグ初戦でコンディション万全。南ア戦の疲労から回復していなかった日本はスコットランドに敗れた。
 これはラグビーW杯のグループリーグが奇数の5ヵ国で行われたために起きた日程の不公平である。この時、サッカーのワールドカップのグループリーグは偶数の4ヵ国だから、こうした不公平は起こりえない、と主張していたサッカーファンがいた。サッカー界は愚かにも、あえて不公平な日程を選んだのだ。
 A対B、B対C、C対A の順番で戦うこととする。ラグビーW杯と同様にB国がA国戦の疲労を引きずっている時にC国は初戦で当たる。それだけではない。当然A国の試合間隔は長く、B国とC国の間隔は短い。これほどわかりやすい不公平はあるまい。またA国C国のリーグ第二戦とトーナメント初戦との試合間隔は短くB国は長い。こちらの不公平もある。

(2)3試合目で不正が起こりやすくなる
 この点はハリルホジッチ日本代表監督が真っ先に指摘していた。
 リーグ戦が現行通り、1)勝ち点、2)得失点差、3)総得点、の順で争われるとしよう。
A 0-0 B
B 0-0 C
といった2試合があったとき、C-Aの第三試合が1-1で終わればAもCもグループリーグを突破できる。
A 1-0 B
B 1-1 C
といった2試合であれば、C-A戦が引き分けなら、AもCもグループリーグを突破できる。
A 2-0 B
B 1-0 C
といった2試合であれば、C 2-1 A で、AもCもグループリーグを突破できる。
 こうした3試合目が単独で行われる場合には、3試合目で対戦する両国ともグループリーグを突破できる条件が導きやすくなる。結果として3試合目が、いわゆる談合試合になる可能性が高くなる。
 つまり、不正が起こりやすくなる。

(3)グループリーグの2試合しか行わずに敗退する国が出る。
 実をいうと、これが一番の問題ではないかと推察している。予選を突破して一年間準備して、たった二試合やるだけかよ、という。
 それに、サッカーは得点が入りづらいゆえに番狂わせが起こりやすい。そもそもリーグ戦を行うのは、真に実力のあるチームがこぼれ落ちないようにするという意味もある。しかし、うっかり初戦で負けたら残り2試合ではなく残り1試合だけ。これではどんな実力があっても、挽回が非常に難しい。つまりグループリーグが、優れたチームをトーナメントに送るフィルターとして働かないケースが増える。

 さて、このような愚かな決定が覆されることはないのだろうか。
 いや、例えばJリーグの2シーズン制のような愚かな決定も、ダ・ゾーン資金を得て覆されるまで2年かかった。W杯をこの形式で二・三度行ってようやく馬鹿な制度だったと気づかれるくらいであろうか。
 しかし一度出場国を増やしてしまったら、減らすのは実力が36と48の中間にある国にとって、身を切り血を流すようなものである。
 戻れない愚かの海にFIFAは飛び込んでしまったのだ。

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