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zoom RSS 真似が苦手な話

<<   作成日時 : 2016/01/08 18:09   >>

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 何度か書いているが、私は子供の頃、運動が苦手だった。体育の時間など劣等感の塊だった。それなら体育の授業は嫌いだったのかというとそうでもなかった。体を動かすこと自体は好きだったからだ。要は人と比較さえされなければよかったのである。とは言っても子供が運動をする際に人と比較するなというのは不可能だ。だいたい男の子社会というのは運動能力で格付けされるものだ。
 運動能力がなぜ低いのか。それは運動神経が悪いからだ。そう説明された。子どもにとって運動神経とはブラックボックスで、それですべて説明が終了してしまい中身はわからない。
 長ずるに及んで、なぜ運動が苦手なのか、理屈を考えた。第一には筋力の不足があるだろう。第二にはその筋力を動かすための反応速度の差があるだろう。反応速度の部分がいわゆる運動神経と言われる所なのかと。そういうものかと自分を納得させた。

 どうもそう単純なものではないらしい、と気付いたのは学生ではなくなってからだ。ヒントのひとつは仕事の中にあった。
 どうも私は機械の操作を覚えるのが得意ではない。
 新しい機械の操作を覚えようという時、自分は説明者の言うことを全てメモしなければならない。それだけではまだ操作は出来ない。説明者がいなくなってから、自分一人でメモを見ながら機械の操作を行って、問題なく機械が動かせた時、始めて機械の操作を覚えられるのである。記憶力が悪いのではない。二度三度と機械が動かせれば、もうメモは必要なくなる場合もある。自分一人で動かしてみる、という所が重要だ。
 ところが世の中にはメモなど全くいらない人もいる。人が機械を操作しているところを見るだけで、ああそうやるの、と納得し操作が出来る人がいる。そうした人と付き合ってみると、その人はスポーツが得意であることが多かった。

 人の動作を見ても同じように出来ない。つまり私は人の真似をするのが苦手なのだ。
 人の真似をしない、ということは長所であるかのように謳われることがある。よその国の真似ばかりすると批判されることが多かった日本では、真似よりも創造性が大事だと強調されてきた。だが、これまでよその人がやってきたことに何かを加えることが創造なのだ。真似の出来ない人は創造する手前に立つことも出来ない。創造性の発露である特許にしても、それまでに出された特許を調べたからこそ新たな特許が書けるのであって。
 話がずれた。
 スポーツの得意な人は真似もうまい。速く人が走るのを見るだけで、あああんな姿勢で走ればいいのかと理解して、同じような姿勢で速く走ることができる。テニスの映像を見るだけで、ボレーはああ打つのか、ロブはああ打つのかと理解して自分でも実践できる。真似の出来ない人間は手間がかかる。自分で自分を動かすという体験がないと動けないのである。山ほど似たような動きを繰り返して、たまたまうまくいった時の動きを再現して、ようやく正確にロブが打てるようになる。
 どうも私はそうした人間であったらしい。私はスキーが趣味なのだが、コブの衝撃を膝で吸収するという言葉を真に理解するまでに十年以上を要した。膝で衝撃を吸収するために実は骨盤の傾け方が重要なのだと知るまでに十年以上も山ほど滑らなければならなかった。

 さてでは、こうした真似の苦手な人間をどう指導すればいいのだろう。
 恐らく体育の時間だけでは無理だろう。ひとりひとりを教えている時間は短い。先生が手本を示していくらかやらせてみる。そんな時間しかない。そして真似の苦手な人は手本を見ただけでは体の動かし方がわからない。
 だが部活動ではどうだろう。適切な時に適切な声をかけ、正しい体の動かし方をこう動かしてみろやってみろと指導し何度もやらせてみることで、ひとりなら何年もかかることを何カ月かに縮められるかもしれない。そして、真似の苦手な人が苦労して体の動きを体得できた時、高い能力を発揮できるかもしれない。
 もっとも、指導者が真似のうまい人だったらどうだろう。なぜ出来ないのかと匙を投げるだけで、真似の苦手な弟子の悩みを全く理解できないかもしれない。例えばボールの蹴り方を何度も見せてやったのに、なぜこの子は自分と同じように蹴れないのだろうと思いながら。

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