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zoom RSS 日本の若者は、別に「世界」で勝たなくてもよいのかもしれない

<<   作成日時 : 2007/01/15 20:56   >>

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 オシムの伝記「イビチャ・オシムの真実」(Gerald Enzinger and Tom Hofer著)の巻末に、この本の訳者である平陽子氏の文章がある。彼女は日本代表の宿舎で仕事をする機会があったという。少々長いが引用する。

ボン合宿中に私が垣間見たものは「ストイックな戦う男たちの集団」ではなく、部屋のテレビに日本製ゲーム機が接続できないから困るとか、ドイツの魚は臭みがあるから食べられないとか、「豊かな日本で何の不自由もなく育った若者」そのものでした。また、宿舎に詰めていた警備員がある時、「日本人というのは闘争心あふれる立派な国民だと思っていたのに、試合を見たら全然違うじゃないか! 負けて宿舎に戻ってきてもヘラヘラ笑っているし、朝方まで部屋で騒いだりしているし、一体どうなってるんだ?」と私に率直な疑問をぶつけてきました。彼は、スイスとのプレーオフに負けてワールドカップ出場を逃したトルコからの移民でした。私は「これが現代の日本の若者なんだから仕方ないでしょう!」と逆ギレしました。

 恐らく、その通りなのだろう。
 噂されるような選手間の「サッカー戦術の対立」よりも、こうした「気の抜けた若者たち」のほうが深刻な問題に思われる。
「豊かな日本で何の不自由もなく育った若者」では、「勝って国民を鼓舞したい」とか、「貧しい国民を勇気づけたい」とか、あるいは「下手な試合をしたら国へ帰れない」という国民よりも動機付けが足りないのではないか。
 オシム監督は日本代表でゲーム禁止令、日本人コック帯同不可などを打ち出している。日本人の若者が普段通りに振る舞ったらとても戦う集団にはならない、と考えているのかもしれない。

 とは言いつつも。
「豊かな日本で何の不自由もなく育った若者」では勝てない、と言うのなら、勝たなくてもいいのではないか?
 幸福な国民では勝てないというのなら。
 国民は幸福な方が良い。

 貧しくてろくにボールも買えないような家庭に生まれ、臭みがあろうとなんだろうと食べられる飢えた環境で育ち、闘争心をむき出しにした戦う男たちの集団にならなければ勝てない、というのなら。
 日本の若者は、別に「世界」で勝たなくてもよいのかもしれない。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
「豊かな日本で何の不自由もなく育った若者」では勝てない、と言うのは意味不明の言い訳
あるブログでこんな記事を読んだ。 『日本の若者は、別に「世界」で勝たなくてもよいのかもしれない』 http://oikose.at.webry.info/200701/article_7.html ...続きを見る
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敗因の先にあるもの
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[サッカー] 「貧しくないとサッカーが強くなれないのなら、勝てなくても良い」
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2007/01/19 19:15
− タイトルなし −
日本の若者は、別に「世界」で勝たなくてもよいのかもしれない 幸せについて考えて ...続きを見る
こもぶろぐ
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サッカーボールを銃で撃つ
日本の若者は、別に「世界」で勝たなくてもよいのかもしれない 幸せについて考えて ...続きを見る
こもぶろぐ
2007/01/20 00:49
サッカーボールを銃で撃つ
日本の若者は、別に「世界」で勝たなくてもよいのかもしれない 幸せについて考えてみ ...続きを見る
こもぶろぐ
2007/01/20 00:59
サッカーボールを銃で撃つ
日本の若者は、別に「世界」で勝たなくてもよいのかもしれない 幸せについて考えてみ ...続きを見る
こもぶろぐ
2007/01/20 02:39
サッカーボールを銃で撃つ
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こもぶろぐ
2007/01/20 02:44
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こもぶろぐ
2007/01/20 02:48

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
平陽子氏の文章は切ないですね。印象的です。
日本の若者は勝たなくていいとは思えません。
その豊かさは親や祖父母の世代の必死さによって得られたものであって、朝方まで騒いでいて手に入れられるものではないでしょう。
スポーツに限らず今の世代がその水準で振舞えば、経済面でインドやら中国の必死さに追いつかれ、次の世代は「豊かさ」を享受できないはずです。
jj_tomato
2007/01/19 10:38
こんなチームを応援しにドイツに行ったのかと思うと、悲しくなってきますね。オシムもその辺の日本人の根底を指摘できても、変えるのは不可能です。

わたしのブログでもドイツ大会、日本の惨敗をまとめてます。

http://blogs.yahoo.co.jp/dukaeeq2004/43357660.html
ukaeeq
2007/01/19 12:15
そもそも「豊かな日本で何の不自由もなく育った若者」が幸福そうにはまったく見えない。
だけど、こうやって物があるだけで、日本は幸福だ、といわれてしまうから、幸福感なんてないのに自分は幸福だと思わないといけないような気がして、それなら文句言っちゃいけないな、我慢してこのままやっていこうとなって、状況を改善していこうという発想が湧いてこない。
だから大事なのは、日本は確かに物はあるかもしれないが、幸福でもなんでもないということ、闘争心や向上心が沸いてこない、負けてもへらへらしてしまう、というのはものすごく不幸なことなんだと、まずは認識する必要がある。
貧しい国の人たちが必死だったり生き生きしていたりするのは、自分の現実(貧乏だということ)をちゃんと把握できて、それをなんとか改善できるという夢を持っているからだ。あまりに貧しすぎて夢が見れない人たちは、日本人のように目が死んでいる。別に貧しい国の人だったらみんな生き生きしているわけではない。
通りすがり
2007/01/19 16:45
 ちまちまと空気に向かって文章を書いている気でいたら、突然お白州に引き出されたような気分でいます。
 もちろん私は諦めたわけではないし、日本代表には勝って欲しいと思っています。ただし勝つには動機付けが必要。ハングリー精神が無いなら他の動機付けが必要と思います。
 トラックバックしていただいたところの何カ所かで指摘があるように、スポーツは貧しくてハングリー精神があるから勝てるというものではありません。豊かな国はスポーツの環境が良い。サッカーの強豪国には先進国が多い。アフリカサッカー界を牽引してきたナイジェリアやカメルーンにしても他のアフリカ諸国に比べれば一人当たりの国民総所得が比較的高い。日本人はアテネでいくつも金メダルを取ったし、WBCでも優勝した。それは事実です。
 それなら日本の金メダリストやWBC代表と、サッカー日本代表との間にどれだけ動機付けの差があったのでしょう。差があったと私は思っています。いずれ書いてみたいテーマですね。
水谷秋夫
2007/01/19 22:26
 代表選手のインタビューを読めば彼らは真剣に一所懸命に戦ったと語っています。そこに嘘は無いと思います。ただそれは他の国と比べてどうだったのか。彼らの基準の中だけの真剣さではなかったのか。そこを疑っているところです。

>jj_tomato様
 コメントありがとうございます。今後も日本は豊かでありつづけるのか。どうでしょう。周囲を見る限り楽観的にはなれませんね。
>ukaeeq様
 オシム監督は、モチベーションを高める方法はいくらでもある、ただモチベーションを維持するのは難しい、という意味のことを語っていました。私は変えるのが不可能とは思っていません。ただ、オシムはうまく操縦したけど、ジーコは自由にさせていたから緩んじゃった、という話なら情けないと思いますね。自分を自分で律せられないというのなら。
>通りすがり様
 幸福、という単語を私は使いましたが不正確でしたか。
 仰ることはほとんど同意なのですが、できればサッカー日本代表に関しての話に絞りたいと思っています。ご容赦下さい。
水谷秋夫
2007/01/19 22:28
日本だけが貧しくないのですか? そーですか、そーですか。
W杯あたりで日本が惨敗したりすると、自嘲にあふれた論調を撒き散らし、その上で論者が自分の賢しらを誇示するなんてのは、昔からあるわけだが(とあるアンチサッカーの指摘。昔はW杯・五輪の予選で大敗すると……だったが)、今回はこーゆー切り口ですか?
つか、昔流行った農耕民族ど〜たらこ〜たらと本質的に変わらん。
>ジーコは自由にさせていたから緩んじゃった、という話なら情けないと思いますね。
ジーコは自由を……という話自体が眉唾だが、自由にしたからどうこうではなくて、ジーコ・川淵体制は日本のサッカーを荒廃、頽廃させたのです。
その程度のことがスパッと言えなくて、“究極の選択”ですか? 日本のサッカーの発言てのは、ホントに昔から批評じゃなくて自嘲なんですな。
そっちの方が情けない、病的だわ。
わざと挑発
2007/01/19 23:57
平女史の後書きは、確かにショッキングなものでしたね。ただ、それが日本のサッカー選手、あるいは日本の若者の全体像をどれだけ反映しているかと言えば、また別の話のような気もします。Jリーグの中だけを眺めても、もっと闘争心やハングリー精神のありそうな選手はいると思うけれど、ジーコがそういう選手を選ばなかった、とも言えるわけですし。
念仏の鉄
2007/01/20 23:28
引用文を読めば分かるけど、ハングリーで動機のあるトルコはW杯を逃し
日本は出場できているわけです。なんら問題ないと思いますが。

日本代表がやる気満々だったとして、決勝トーナメントに出ることが
出来たと思っているんですか?プロをなめすぎです。そもそも途上国
でもW杯に出てくるような選手は、欧州で日本人より金を稼いでいます。
不思議だ
2007/01/21 10:02
>わざと挑発様
・日本だけが貧しくない、とは書いていません。
・賢しらさを誇示したように読めたとしたら、私の文章力の無さ故でしょう。サッカーの経験も乏しくサッカーがよくわかっていない人間が、自分にわかる範囲で書いているブログ、のつもりでいます。もちろん批判批評は甘んじて受けます。
・日本人農耕民族論がなぜここに出てくるのかよくわかりません。
・川淵会長については何度か、ジーコ監督については何十度か、このブログで取り上げています。読んでいただければ幸いです。
・このブログでは批評も自嘲も感想も思い出話も小説めいたものもあります。楽しんで頂けたら幸い、頂けなかったのなら残念です。
水谷秋夫
2007/01/21 16:57
>念仏の鉄様
 お久しぶりです。
 平女史の文章を読んだ時には、独W杯日本代表選手達にたいしてもやもやと思っていたものがはっきり形になったような気がしました。あまりに衝撃的だったので私も逆ギレした感があります。
 なるほど闘争心あふれる日本サッカー選手もいますね。ジーコが選ばなかったのはテクニックに劣ると思ったからでしょうか。そうした選手が何人か必要、と思い始めているところです。
水谷秋夫
2007/01/21 17:46
>不思議だ様
 ハングリーで動機のあるトルコは、他に何か足りないところがあったからW杯に出られなかったのでしょう。
 もちろん不思議だ様の仰る通りで、やる気満々なら勝てるなどとなめたことは考えていません。独W杯日本代表の、選手の精神面以外の問題点についてはこれまで何度も取り上げて書いてきましたので読んで頂けたら幸いです。
 ところで欧州で金を稼いだ途上国選手は、金を稼いだことでハングリー精神を失うのでしょうか? ハングリー精神を高めてさらに勝つことに執着し、より金を稼ごうとするのではないかという気がしますが、どうでしょうか。
水谷秋夫
2007/01/21 18:06

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